プーチン大統領:中国との貿易の大半が自国通貨で決済、米ドル離れが加速

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアと中国の貿易の大部分がすでに自国通貨で決済されており、米ドルの使用が著しく減少していると発表した。この発言は、両国の経済的連携がますます強化されていることを示すものであり、国際貿易における「脱ドル化」の動きの一環とみられている。

プーチン大統領は最近の発言で、「現在、ロシアと中国の貿易の約90%がルーブルと人民元で行われており、ドルやユーロの使用は最小限に抑えられている」と述べた。両国は特にエネルギー分野における取引で自国通貨による決済を推進しており、地政学的な緊張が高まる中で、経済的な主権確保を重視している。

この動きは、米国による制裁措置への対抗手段としても解釈されている。ロシアはウクライナ侵攻以降、西側諸国との金融取引に制約を受けており、米ドルからの脱却を急いでいる。一方、中国もドル依存からの脱却を図る中で、ロシアとの通貨協力を拡大している。

専門家によると、ロシアと中国の通貨協力は、世界経済における米ドルの支配力に対する挑戦として注目されている。特に新興国市場では、自国通貨による取引を模索する動きが加速しており、今後の国際金融秩序に大きな影響を与える可能性がある。

さらに、両国はデジタル通貨の導入やクロスボーダー決済のインフラ整備にも取り組んでおり、長期的には新たな経済ブロックの形成が現実味を帯びてきている。プーチン大統領の発言は、こうした戦略の一環として、ロシアと中国が経済的により緊密な関係を築いていく姿勢を強く示すものとなった。